北を考えます。
地球は北極点と南極点を中心軸で自転しています。軸自体が歳差運動をしていて微妙にぶれて回っています。北極点は真北(しんぽく=True North)です。
磁石の赤色の指針は北(N極)=磁北(じほく)です。
ということは北極の地磁気S極に引き寄せられているためです。
ややこしいのは、磁石の北は北極点を指していません。北極点からは少しずれた位置にあります。これは、地球の内部にある外核のどろどろと融解した鉄がマントルの対流によって地球内部を流れています。その対流によって発生する電流が磁気を作っているのです。
磁北は毎日わずかずつ変動しています。
登山者としては、地磁気の日変化は無視できる程度です。
真方位と磁方位は違うということは知っておいてください。そして、その違いは変動しているという事です。
日本の磁気偏差は5~10度西にずれています。西に行くほど偏差が少なくなっています。国土地理院の地図には磁気偏差何度か書いてあります。ちなみに、方位は北を000度で右に数字が増えていき東は090度、南は180度、西は270度と表現しますが、西に傾いている偏差は例えば5度西という事は-5となります。
このように、真北と磁北とは多いところで10度のずれがありますので、フィールドで磁石の北と地図の真上(真北)を合わせると間違った尾根に迷い込むことがあるという事です。
これは無視できない誤差です。特に、ガスっている時には致命傷になりかねません。
ここまでは、マグネチックコンパスとの比較でしたが、スマホやスマートウオッチのGPSによる方位は地磁気センサーが搭載されていると思われますが、設定等の違いや、物によって真北を指すものや磁北を指すものがありますので注意が必要です。