道に迷ってしまった
道迷い
山登りでよく聞く話です。
道に迷うという事について。
①GPSを頼りに登っていて位置精度が悪く道から外れてしまった。
②先ほどまでテープがあったのに見失ってしまった。
③あるピークから違う方向に降りてしまった。
④モバイル地図でバリエーションルートを歩いていて、急にモバイルが故障したので迷った。
この4つの状況を考えてみましょう。
①GPSを頼りに登っていて位置精度が悪く道から外れてしまった。けれど
・おかしいと気づき本来の道を探して復帰できた・・・迷っていない。
・外れた後も獣道をどんどん進んでしまってやがて崖に突き当たって自分の位置がわからない・・・迷っている。
②先ほどまでテープがあったのに見失ってしまった。けれど
・テープが無くなったことに気づきやがて、道がなくなってきたので引き返した・・・迷っていない
・テープが無くなったことに気づきやがて、道がなくなってきたが地図で地点を確認して行動を決めた。・・・迷っていない。
・テープが無くなったことに気づきやがて、道がなくなってきたが行けそうなのでどんどん先へ進んだ結果、わけが分からなくなった。・・・迷っている。
③あるピークから違う方向に降りてしまった。けれど
・途中でおかしいと気づき元のピークまで引き返した。・・・迷っていない。
・なんか変だけど何とかなるだろうと下っていくうちに降りれないほどの急坂に出くわし、谷筋へ降りた所、滝があって進退窮まった。・・・迷っている。
④モバイル地図でバリエーションルートを歩いていて、急にモバイルが故障したので迷った。けれど
・どういう位置関係か、地点がわかっているので、紙地図で現在地を特定し、エスケープできた。・・・迷っていない。
・故障してたちまち行動不能となった。・・・迷っている。
いろんな状況が考えられますので一概には言えませんが、自分が今いる山塊の中でどの位置にいるのかという、地点評定が出来ているか、いないのかが決定的違いとなります。という事は、山中でいくらうろついても、ルートを特定するためのものは道迷いではないのです。
道迷い。それは、自分が今どこにいるのかが全く分からなくなって行動不能か、やみくもに歩き回ってしまった結果、取り返しのつかない状況に追い込むことを言うのです。
そういった意味で、道に迷うことを防ぐには最低限、紙地図を持つことと読図力をつける事、そして自分がどの位置にいるかが検討を付けられる能力を持つことだと思います。
山登りはそういった意味で、他人に助けを求めにくい趣味です。いろんな状況に追い込むことも自己責任です。結果的に遭難をしてしまって人様によって助けてもらった場合、それ相応の社会的責任を取らされるスポーツでもあります。それは違うとのご意見もいただきそうですが、遭難事故案件の中身を見ているとそう感じます。特に経験の浅いYOUTUBERの危険極まりない投稿や能力以上の山域に入っての遭難が特に多くなってきているように感じます。私もヘリで捜索活動に携わった経験から、何故?と理解不能な遭難事案が多いことを感じております。