一般登山でロープは必要か?
前提としてロッククライミングや沢登でなく、あくまで普通の山登りをする場合を考えます。
一般登山の大まかな分類
①近くの500m程度の里山ハイキング
②1000mクラスの行楽ハイキング
③整備された登山道を登る山行き(登山用地図や登山アプリで紹介されている一般ルート)
④北アルプス等3000mクラスの一般登山道を登る場合
⑤あまり人の入らないマイナールートを行く山登り
⑥人に全く合わないようなバリエーションルートを行く山登り
ざっとこんな感じではないでしょうか。どの山行きもそれぞれの自然という楽しさが味わえます。
一般登山でロープは必要なのだろうかという点ですが、私は持つべきであると思っています。例えば、一般登山道でも、整備されているからと高をくくっていると、昨日の雨で林道が土砂崩れなんてことがあります。また、沢を下っていて苔でツルツルの岩をたった2m降りるだけでも引き返さなければならないという事は結構あるものです。2mの岩を滑り落ちただけでも下手すれば骨折。そういった場合にロープ1本持つことで何なく切り抜けられます。そういった意味でもロープを持つことは、必要な装備と考えるべきでしょう。
私の場合は、常日頃スリングとカラビナはザックに引っ掛けています。また、人を連れていく場合は念のため、お助け紐もプラスします。
③は簡単な6mmお助け紐5m(補助ロープ)とスリング数本とカラビナ。
④⑤⑥は長い7mm補助ロープ15m、スリング20mm巾120cm4本、カラビナ4個を持っています。
補助ロープ(6mmまたは7mm)といっても人がぶら下がって切れることはありません。ただしロッククライミングで使うロープとは似て非なるものです。ロッククライミング用はダイナミックロープと言って、万一の転落のための安全装置として機能します。転落をした場合にロープが伸びることによって人にダメージを与える衝撃を吸収するためのロープです。それに比べて補助ロープは全く伸びませんから、たとえ1mの転落でもロープは伸びずに死亡事故につながることを十分理解してください。そういう使い方は絶対にしないようにお願いします。
補助ロープの使い方
・補助ロープでも懸垂下降は出来ますが、垂直の崖は降りてはいけません。60度くらいの急傾斜の植林帯等を下るときの懸垂下降には有効です。
・複数人が安全に行動するためにロープをつかんで上り下りをする。
・ガレた場所や滑りそうな斜面をトラバースするときに横に張ってバランス補助として使う。
・捻挫等負傷者を安全な場所まで引き上げるときの手助けとして利用。
・同行初級者のための安全確保対策としての利用。
バリエーションルートを含むほとんどの山行きで10mあれば乗り切れますが私は念のため15mを持って行ってます。7mmあれば安心です。山道具屋さんで切り売りしています。
スリングの使い方
・120cmスリングを2本使うと十分お助け紐として機能する。
・けが人の介助道具としての活用
・自己確保目的に利用
・ハーネスとして(スワミベルトの代用)
・蛭なんかが多い場所では、休憩時ザックを木につるしたりいろんな使い方が出来ます。
スリングにはいろんな種類とサイズがありますが、私は20mm巾の120cmナイロンスリングを使っています。このサイズは、万能で応用範囲が広くつなげば長くもなるので、いつも余分に持って行ってます。色も探す必要のない目立つ色を持っています。スリングの120cmとはわっかの状態で120cmあるという事ですので240cmのテープを輪にしているという事です。
補助ロープとスリング利用の注意点をもう一度
・衝撃荷重をかけるような使い方は絶対にしない事です。という事は、絶えずたるませることなくテンションをかけておくことです。これだけは絶対に守ってください。
カラビナ
一般登山者が覚えておくとよいロープ結び
ロープワークの本は色々出ていますが、これを全部覚えることは大変です。
使わなければすぐに忘れるし!
そこで、状況打破するためのロープ結びは5つだけ確実に覚えておきましょう。
YOUTUBEなどで紹介されています。
・フィッシャーマンズノット(シングルとダブル)
ロープ同士を確実につなげる方法
・エイトノット(シングルとダブル)
確実に無すべて簡単にほどける便利な結び方
・ガルダーヒッチ
カラビナ2つで後続登山者の安全確保に使える
・ハーフマストノット(ムンターヒッチ、イタリアンヒッチ)
カラビナひとつで懸垂下降に利用できる
・クレイムハイストorプルージック
ロープを使って登る場合の確保用
おまけ
懸垂下降をする場合のロープ回収収方法を独自で考案していますので、ラッペルリング1個と3mmパラコード20mを持って行きます
カラビナとスリングは余分に持っています